「日本酒っておじさんが熱燗で飲むイメージ……」
そう感じている20代・30代の若い世代も多いはず。でも、実は今、“氷で割って飲む日本酒”が、ひそかに注目を集めています。
とくに暑い季節には、キンキンに冷えたロックスタイルで日本酒を楽しむ人が増加中。香りや味わいが広がりすぎないので、初心者でも飲みやすいという声も多数。今回は、日本酒の町・佐賀県鹿島市から、ロックで楽しめる地酒を3つ厳選してご紹介します。
日本酒をロックで飲むのは邪道? いえいえ、むしろ新しいスタイルとして、業界でも推奨されるほどです。とくに若い層にとってのメリットを整理してみましょう。
アルコール度数が下がる
ロックにすることで度数が下がり、飲みやすくなるのが最大の利点。焼酎やウイスキーと同じく、氷が徐々に溶けていく過程で味わいが変化するのも楽しめます。
香りやクセがやわらぐ
香りが強すぎる日本酒や、熟成系のコク深いタイプでも、ロックにすることでクセが和らぎ、スッキリした飲み口に。日本酒ビギナーにも最適です。
シンプルに「おしゃれ」
ロックグラスに注いで飲むだけで、なんだかスタイリッシュ。カクテル感覚で楽しめるので、家飲みや友人とのパーティーでも映えます。
ロックに合う日本酒にはいくつかの特徴があります。すべてがロック向きというわけではないので、選び方も重要です。
タイプ | ロックに合う? | 理由 |
---|---|---|
原酒 | ◎ | 濃厚な味わいと高アルコールが氷で程よく中和 |
生原酒 | ◎ | 爽やかな風味が冷やすことで引き立つ |
辛口純米酒 | ○ | キレがよくなり、食中酒に最適 |
吟醸・大吟醸 | △ | 香り重視のタイプは氷で香りが飛びやすい |
甘口系 | △ | 甘みが強くなりすぎることがある |
肥前蔵心 特別純米 超辛口生原酒(Ver.2)|矢野酒造
矢野酒造が手がける「肥前蔵心」は、辛口派にはたまらない一品。なかでもこの“超辛口生原酒”は、度数17度と高めで、ロックにぴったり。
キレのあるのど越しと、生原酒ならではの鮮烈な香りが、氷と合わさっても崩れません。肉料理との相性も抜群で、特に唐揚げやステーキなど、濃いめのおつまみと合わせるとベスト。
手造り純米酒 光武(辛口)|光武酒造場
創業1688年の老舗、光武酒造場が造る手造り純米酒。ほどよい酸味とキレの良さが特徴で、氷で割るとよりシャープな印象に。
チーズやオリーブ、アヒージョなど洋風のおつまみとの相性もよく、冷酒では味わえない“淡く優しい飲み口”が楽しめます。料理とのペアリングで個性が引き立つ万能型。
辛口純米酒 幸姫|幸姫酒造
幸姫酒造は、女性杜氏が活躍する注目の酒蔵。この「辛口純米酒」は、まさに“ロックにするために生まれた”ような一本。
米の旨味がしっかり感じられつつ、後味はスッと切れていく。氷が溶けても薄くならず、味のバランスが崩れにくいので、ゆっくり晩酌を楽しむのに最適です。
せっかくなら、ただ氷を入れるだけでなく、もっと楽しく日本酒ロックを味わってみましょう。
グラスは厚手がおすすめ
ウイスキーグラスやロックグラスのような厚みのある器がベスト。冷たさをキープしながら、手の熱で味の変化も楽しめます。
ロックアイスを使おう
家庭用製氷機よりも、透明度が高く溶けにくいロックアイスを使うのが◎。日本酒の味が変わりにくくなります。
レモンやゆずを添える
柑橘系の皮を軽く搾って加えるだけで、爽やかさが倍増。特に、淡麗辛口系との相性が抜群です。
シーン | おすすめポイント |
---|---|
夏の家飲み | 暑い夜にぴったり。冷房と日本酒ロックの相性も抜群 |
バーベキュー | 炭火焼との相性◎。ビール代わりにライトな日本酒をロックで楽しむ |
夜の晩酌 | 氷でじっくり飲むスタイルは、1人の時間にもマッチ |
パーティー | スタイリッシュな飲み方で、日本酒初心者にも受け入れられやすい |
日本酒をロックで飲むというと、伝統を崩すように思われがちですが、むしろその逆。温度帯を変えることで見えてくる地酒の“隠れた表情”に出会えるのです。
鹿島の酒はどれも造り手の思いが詰まった逸品ばかり。ロックという新しい飲み方で、自分だけの“お気に入り”を見つけてみませんか?