「日本酒って、全部米からできてるんでしょ?」
──その通り。でも、使われる米の種類によって、日本酒の顔は大きく変わります。
特に酒造り専用に開発された米=酒米(さかまい)は、
日本酒の香り、味わい、質感にダイレクトに影響します。
この記事では、
・酒米とは何か?
・どんな種類があるのか?
・それぞれの特徴と違い
を、初心者にもわかりやすく徹底解説していきます!
普段私たちが食べている米(コシヒカリ、あきたこまちなど)と、
日本酒に使われる酒米(酒造好適米)は別物です。
比較項目 | 酒米 | 食用米 |
---|---|---|
目的 | 日本酒造り専用 | ご飯として食べる |
粒の大きさ | 大粒で心白が大きい | 小粒で粘りがある |
吸水性 | 高い | 低い |
たんぱく質・脂質含有量 | 少ない | 多い |
コスト | 高価(栽培手間あり) | 比較的安価 |
酒米の特徴
大粒&心白(しんぱく):米の中心部が白く、精米しやすい。
低たんぱく質・低脂質:雑味が出にくく、きれいな酒質に。

山田錦──日本酒界のキング
特徴:粒が大きく、心白が中心にある理想的な酒米。
味わい:芳醇な香り、まろやかで奥行きのある味。
主な産地:兵庫県(全国生産量の7割)
ポイント:吟醸酒や大吟醸酒に最適。
高級日本酒のラベルで「山田錦使用」と書かれていたら、まず間違いない。
五百万石──すっきり淡麗派のスター
特徴:比較的小粒で、心白が大きめ。硬質で溶けにくい。
味わい:軽やかでシャープ、すっきりとした辛口が特徴。
主な産地:新潟県、富山県
ポイント:新潟の淡麗辛口ブームを支えた立役者。
シャープな飲み口が好きな人におすすめ。
雄町──コクと旨味の古酒米
特徴:日本最古の酒米。背が高く、栽培が難しい。
味わい:旨味が強く、骨太で濃厚な味わい。
主な産地:岡山県
ポイント:「オマチスト」と呼ばれるファンが存在するほど。
コク深く、存在感のある日本酒を楽しみたい人向け。
酒米 | 香り | 味わい | 飲み口 |
---|---|---|---|
山田錦 | 華やか | まろやか、奥行きあり | 柔らかくふくよか |
五百万石 | 控えめ | すっきり、シャープ | キレがよく軽快 |
雄町 | 落ち着きあり | コク・旨味強め | 濃厚で飲みごたえあり |
- 華やかでバランス型が好きなら山田錦
- 辛口すっきり派なら五百万石
- 骨太な旨味を楽しみたいなら雄町
佐賀県・鹿島市周辺も、実は酒米の生産地として密かに有名です。
佐賀県で生産される主な酒米
山田錦(主に佐賀平野)
さがびより(食用米だが酒造りにも使われる)
鹿島の地酒と酒米
鹿島市では、
光武酒造場
馬場酒造場
といった蔵元が、地元産の米と水を活かして酒造りをしています。
特に、佐賀県産山田錦を使った純米吟醸酒は、
口当たりが柔らかく、旨味たっぷりで地元民にも人気。
香りを楽しみたいなら山田錦ベース
食中酒に合わせるなら五百万石
コクのある酒が好きなら雄町を探せ
そして、まずはラベルを見るクセをつけよう。
「山田錦100%使用」「五百万石60%使用」など、
使われている酒米は案外ちゃんと書かれています。
日本酒の違いは、
醸造方法
精米歩合
だけでなく、米そのものの違いにも大きく影響されています。
酒米を知ることは、日本酒を深く知ること。
今日からはラベルの「山田錦」「五百万石」「雄町」を意識してみてください。
あなたの日本酒ライフが、きっともっと面白くなるはずです。