佐賀県鹿島市といえば「酒蔵通り」が有名ですが、実はその周辺には観光パンフレットに載っていない“日本酒好きのためのスポット”が点在しています。旅行サイトに出てこない、けれど地元民は知っている。今回は、そんな鹿島の裏日本酒スポットを4つご紹介します。
鹿島の玄関口・肥前浜駅のすぐ隣にある「HAMA BAR」。昼は観光客向けにカフェと利き酒体験、夜はしっとり落ち着ける日本酒バーとして営業しています。
店内では鹿島の主要な酒蔵(光武酒造、矢野酒造、幸姫酒造など)の銘柄を飲み比べでき、利き酒セットも充実。旅の始まりや終わりにふらっと立ち寄れる立地も魅力で、時間帯を問わずに日本酒を楽しめます。
特に金〜日曜の夜営業(18:00〜21:00)は地元の常連客も集まり、観光とローカルの境界線がほどよく溶けた空間に。会話を交わしながら飲む日本酒は、旅の思い出をより深くしてくれることでしょう。
酒蔵通りを起点に観光を始めるなら、まず立ち寄ってほしいのが「佐賀酒蔵ツーリズム」。鹿島の各酒蔵の案内パンフレットや酒蔵マップが手に入る、まさに“日本酒旅の起点”となる場所です。
地元限定の地酒や、イベント時には酒蔵コラボ商品なども販売されており、掘り出し物に出会える確率も高め。スタート地点でありながら、日本酒好きにとってはすでに目的地とも言えるスポットです。
開催期間は春と秋の二回行われます。
意外な穴場が、地元の人が日常的に使うスーパー「エレナ」。大型の観光施設とは違い、地域に根ざした商品が多く、日本酒コーナーもローカル色が強めです。
例えば「幸姫酒造の四合瓶」「光武酒造の1.8Lサイズ」など、業務用や家庭用の大容量ボトルがズラリと並びます。お土産ではなく“今夜飲む一本”を探している方にはぴったり。
また、地元の漬物や乾きものも揃っており、つまみ選びの楽しさも倍増します。旅先のスーパー巡りが好きな人には、間違いなく刺さるスポットです。
鹿島の酒蔵を効率よく回るなら、観光協会でレンタサイクルを利用するのが便利。酒蔵通りの周辺に点在する小さな蔵元にも、坂道のない平坦な道をゆっくり走ってアクセスできます。
矢野酒造・光武酒造・馬場酒造などの間も自転車であれば10分圏内。さらに、途中の神社や川沿いの風景など、車では味わえない鹿島の風情も楽しめます。
少量ずつの利き酒であれば自転車でも十分にマナーを守って楽しめるので、観光と日本酒を組み合わせたアクティブな旅におすすめです。
鹿島市の日本酒文化は、酒蔵通りだけにとどまりません。ローカルならではの日本酒体験は、観光ルートを少し外れることで出会えるのです。駅ナカのバーで旅の余韻に浸り、スーパーで晩酌用の一本を探し、そして自転車で風を感じながら蔵を巡る──。そんな“ちょっと深い鹿島の旅”を、ぜひ体験してみてください。